東京法曹会とは

 東京法曹会の結成に参加され、その後の発展のために多大な尽力をされました渡部喜十郎先生は、平成16年10月11日に102歳でお亡くなりになりました。東京法曹会は渡部喜十郎先生のご尽力に感謝し、そのご功績を後世に伝える責務があります。そこで、平成20年8月、リニューアルすることになったホームページに渡部喜十郎先生の部屋を再度アップし、この部屋へのご案内を二宮忠先生にお願いしました。

懐古と道標

二宮 忠

 この度、渡部喜十郎先生とのインタビューの内容が会員に紹介される。古い会員にとっては懐古となり、若い会員にとっては人生の一つの道標となるであろう。大変素晴らしい企画で賛意を表したい。

 私は、渡部先生と同郷(愛媛県)、同窓(明治大学)ということもあって、お会いすることも多く、いろいろご指導を頂いた。

 先生の口癖"人生の二大事業"は先生の人生哲学。その一つ、長寿の事業。先生は40歳頃胃潰瘍になられた。原因は飲酒(酒豪だったらしい)、命か酒か考えた末に禁酒ではなく断酒を決意。四国八十八ヶ所を遍路し、最後に祖先の墓前で「今後一切酒を断つ。命は永らえさせてください」と祈願、爾来一切酒は口にしなかったと。この頃から長寿を一つの事業と位置づけられたらしい。私も先生が飲まれたところを見たことはない。

 次に、財政の確立の事業。いろいろ語られてはいるが、心に残るのは「恒産あれば恒心あり。弁護士の使命は社会正義の実現にある。故に邪な心を持たないためには恒産が必要。ただし多くは不要。また、不動産を買うなら急行電車の止まる駅は駄目、その一つ先か手前を」。強い信念を持ち、実行する人であった。一方、日常生活は大変つましかった。

 では、どうぞ素晴らしいお部屋の方へ!お楽しみ下さい。

» 続 渡部喜十郎先生おおいに語る(PDF)